武道において、筋力がある方が有利な場合は少なくありませんが、必ずしも絶対的に有利となるわけではありません。
柔道や合気道、剣道などでは、「柔よく剛を制す」ということわざのように、自分の力よりも相手の力を有効活用することで、筋力が弱い人でも十分に実践で役立つケースが少なくありません。
まともな力勝負だと勝ち切ることが難しい中高年や、体力・筋力等に自信がない人でも、十分なチャンスが得られるわけです。
陳式太極拳・秀武館武術師範の池田秀幸さんは、陳式太極拳における「勁（けい）」の本質を知ることで、年齢・体格・経験に関係なく、誰もが「筋力を超える技の威力」「ぶつからずに崩す力」を得ることが可能だと指摘します。
この「勁（けい）」の本質を身につけるために必要な練習法として、池田さんは、以下の３ステップをあげています。
- 陰陽 × 呼吸連動の重心移動をマスターする
- 仙腸関節波動メソッドを体感する
- 技の三原則（方向・タイミング・スピード）を反復する
これらの言葉だけを見ると、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実際に取り組んでみると、シンプルでわかりやすいものばかりです。
この池田さんが提唱する３ステップなどをまとめたのが「武術の核心にある身体の使い方」です。
さまざまな武術などで活かすことができますし、あなたが取り組んでいる武道において、稽古の後の体の痛みや疲労などにも大きな違いが出ることを実感できるのではないでしょうか。