なにも少年野球だけに限った話ではありませんが、効率良く上達するには正しいフォームを
身に付けることが最も重要だといった考え方が一般的です。
イチローや野茂などの独特なフォームを行う選手もいますが、誰もが真似できるようなもの
ではありませんし、逆に身体を壊してしまう結果になりかねません。
自己流のフォームだと体に無理な負担がかかる場合も珍しくありませんし、無意識のうちに
悪い癖が身についてしまい、それが上達の妨げになることも少なくありませんから、長年の
知恵が盛り込まれた「正しいフォーム」を身につけて無理・ムラ・無駄のない動きができる
ようになることが必要だというのは間違いではありません。
しかし、独自の縦振り理論を提唱している少年野球指導者の榊原貴之さんは正しいフォーム
よりも先に身につけなければいけない要素が存在すると指摘します。
それが「感覚」です。
バッターとしての感覚を身につける前にフォームを覚えてしまうと、素振りは綺麗なのにも
関わらず、打撃練習では空振りや凡打を量産するだけの結果煮終わってしまうのです。
先にバッティング感覚を身に付けた上で正しいフォームを身に付けることで、更に無理なく
上達できるわけですが、フォームを覚えてから感覚を身につけようと思っても、フォームの
乱ればかりが気になってしまい、バッティング感覚が身につけられません。
しかし、バッティングの「感覚」を身につけるのは簡単ではありません。
少年野球とかだと、センスや才能の問題だとして、指導自体を放棄しているコーチも少なく
ありませんし、練習量を増やして自ら気づくものだといった考え方で、とにかく打撃練習や
素振りばかりをさせている指導者も少なくありません。
榊原さんは、このような運任せのバッティング上達法には否定的です。
独自の「縦振り式」練習ドリルを実践することで、自然に感覚が身につけられるように工夫
していますし、できたかどうかのチェックも簡単に行えますから、運任せの要素がなくなる
わけです。